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脱税摘発の現場から

実際の相談事例や体験をもとに、税務調査の実態や税制の抜け穴、立会いの仕方等を、山根治公認会計士・税理士が解説。税理士必見!
 【解説】山根治公認会計士・税理士

【第一部】脱税摘発の現場から

4. 脱税・冤罪事件の3つの原因 (2010-10-05)

 私の冤罪事件だけでなく、次から次へと脱税に関する冤罪事件が発生している現実。

 何故このようなトンデモないことが白昼堂々と、しかも国家の名において、あるいは社会正義の名において、繰り返されるのか。その原因は何か。

 私が辿りついた結論は次の3つ、これこそ脱税・冤罪事件が繰り返される原因である。


(1) 司法制度におけるチェック機能の不全

 一つは、司法制度においてチェック機能が欠落していることである。査察官によって間違った告発がなされても、検察官は税務と実社会についての知識が皆無に等しいので、その間違いに全く気がつかない。国税当局の言うがまま、いわば操り人形だ。刑事事件として法廷に持ち出されても、裁判官は検察官と同様に、あるいは検察官以上に無知であるために、よほどのヒドイインチキ(私のケースがまさにこのケースであった)がなされていない限り、フリーパスの状態で有罪判決へと突っ走る。これに加えて、検察官も裁判官も同じ仲間内、つまり同じ穴のムジナである。よほどのことがない限り、検察官の言い分を否定する無罪判決が出されることはない。

 弁護人が十分な役割を果たしていないのも問題だ。脱税裁判の中核をなすのは会計であり、会計が分かる弁護士が極めて少ないのが現実である。とりわけ、事実認定にあたって不可欠である、膨大な数字の読み込みができる弁護士に至っては皆無に近い。このような状態では、刑事事件における「厳格な証明」が検察官によって本当になされているかどうかチェックできるはずがない。

 これが、脱税事件における有罪率100%と、国税庁がPRパンフレットで豪語している実態だ。司法制度のチェック機能がマヒしており、事実上欠落しているのである。


(2) 税務職員の調査能力の劣化・職業倫理の欠如と、国家公務員の無責任体制

 二つは、税務職員の調査能力の劣化・職業倫理の欠如と、国家公務員の無責任体制である。

 査察官を含めた税務職員の調査能力が劣化しているとはいっても、以前の調査能力が必ずしも秀れていたわけではない。基本的な理解に欠けている税務職員が余りにも多いということだ。ことに、脱税と認定するための、「偽りその他不正の行為」(所得税法第238条、法人税法第159条、相続税法第68条)、あるいは重加算税を認定するための「仮装・隠ぺい行為」(国税通則法68条)については、全くいいかげんで、驚くほど無知である。厳格な証明などどこ吹く風、予断にもとづく勝手気ままな認定が横行しているのである。

 私の冤罪をデッチ上げた張本人である大木洋氏(広島国税局調査査察部長を歴任した後退官し、現在は広島市で税理士事務所を開設している。TKC と大木洋氏参照)について、私はかつて、

“切れ味の鋭い日本刀を、やたら振りまわして遊んでいる、訳のわからないガキ大将のようなものである。危険極りない存在だ。”(「冤罪を創る人々」強制調査二日目 ― 平成5年9月29日(水)

と評したのであるが、大木洋氏のような怪しげな人物が今なおマルサとか料調を取り仕切っているのである。このような人物が問題であるのは、単に調査能力が劣化しているからだけではない。それ以前に、公務員としての最低限の心構えが欠けていること、つまり職業倫理がスッポリと欠落していることだ。

 その上に現在の国家公務員法には、職務として執行されたものである以上、いかに間違ったものであったとしても、個人を罰する規定がない。非行のやりたい放題であり、全くの野放し状態であることだ。大木洋氏が、私の事件の現場責任者として犯罪的行為まで行なっていたことが刑事法廷と国税不服審判所で明らかにされたにも拘らず、何のことはない、この人物が陣頭指揮をした査察事案の無罪が確定し、更正処分が全て取り消された直後に、そのマルサのトップである調査査察部長にまで登り詰めている事実こそ、無責任体制を何よりも雄弁に物語るものだ。


(3) いびつな税理士制度

 三つは、いびつな税理士制度である。この業界法によって、国税庁の完璧なまでの支配下に置かれているのが、現在7万人いる税理士である。現在の日本の税理士は、国税当局の下請機関であると評しても決して過言ではない。税理士法でそのように仕組まれており、税理士としては、納税者の立場など初めから考えることができないようになっている。税理士法第一条で謳っている「独立した公正な立場」など、空念仏もいいところだ。

 日本国憲法は、納税の義務を定めている(憲法30条)と同時に、法の定めによらなければ税の徴収ができないこと(憲法84条)、及び、法定手続によらなければ刑罰を科することができないこと(憲法31条)を定めて、納税者の権利を保証している。

 ところが、現在の日本の税制では税理士法を含めて、納税者の義務に偏重しており、納税者の権利がなおざりにされている。今年になって遅ればせながら納税者権利保護法(仮称)の制定に関する立法提言が日本弁護士連合会から出されている始末である。

 私の考えるところ、弁護士会の試案はそれはそれで結構なことではあるが、一言でいえば絵に描いた餅であり、実効性に欠けている。税理士法が全く考慮に入れられていないからだ。税理士制度をキチッとしたものにしない限り、いくら「納税者保護法」を制定したとしても、法律が空回りするだけのことだ。つまり、わずか7万人の税理士のための税理士法ではなく、広く国民全体のための税理士法にしなければ意味がないということだ。逆に税理士法さえキチッとしたものにすれば、弁護士会の試案のうち、「第四租税救済」から「第六その他」まではともかくとして「第三租税手続」は不要である。

 税理士法に巣くっているガンは次の2つである。


A. 税理士会への強制入会制

 一つは、税理士会への強制入会制だ。ゲー・ペー・ウー(秘密警察-注を参照のこと)の役割を果している税理士会と日本税理士会連合会が国税庁の手先となって税理士締め付けのよりどころとしているものである。税理士が職業会計人として「独立した公正な立場」(税理士法第一条)から誰に気兼ねすることなく自由に発言し、自由に行動できるようにするには、まずこの強制入会制を廃止することだ。この強制入会制の弊害については、政府の規制改革委員会がしばしば取り上げているところであり、すでに平成12年12月12日の時点で、同委員会は、「強制入会制は本来廃止すべきである」とする見解を打ち出している。


B. 税理士業務の無償独占性

 二つは、税理士業務の無償独占性(続・いじめの構図 -9参照)である。このシバリがあるために、税理士ではない一般の人が税金の世界に一歩も立ち入ることができないようになっている。例えば、一般の人が税金の相談を無料で行なったり、あるいは、税金の事例を調べようとして納税者に接しただけで、税理士法違反に問われ、逮捕されるおそれがある。

 実は、この無償独占性は税理士法の明文で定められたものではなく、国税庁の勝手な解釈によるものだ。法律ではない一行政機関の法解釈によって、懲役刑が用意されている税理士法違反に問おうとするもので、罪刑法定主義(憲法31条)に明らかに反している。直ちにやめるべきである。

 一般の人を税務行政に一切立ち入ることを許さないで、徴税側の都合と、半分ほどは税務署OBで占められている7万人の税理士の利権を守ることのみに主眼を置き、納税者を踏みつけにしているのが、現在の税理士制度であり、その最大の問題点は、この強制入会制と無償独占性である。

 税務行政の間違いを闇から闇へと葬(ほうむ)るのに、この2つのしくみほど都合のいいものはないのである。強制入会制と無償独占性こそ国税当局の下請け機関に堕している税理士会と日本税理士会連合会が、国税当局と一緒になって必死に守ろうとしているもの(「日税連を考える」[267] 断固として無償独占を死守すべき。がんばれ!)であり、国民一般の目線からすれば、税理士制度に潜むガン以外の何ものでもない。

 この2つのうち、とりわけ問題が大きいのは無償独占性だ。

 税理士業務は法律によって、

  1. 税務代理
  2. 税務書類の作成
  3. 税務相談
の3つの事務に限定されており(税理士法第2条)、これらの事務を行なうことを業とするのが税理士であるとされている。

 「業とする」というからには、通常は有償が前提である。無料でサービスを提供しても「業」とは言わないのである。

 この点、無用の混乱を避けるために、弁護士法は「報酬を得る目的で」(弁護士法第72条)、公認会計士法は「報酬を得て」(公認会計士法第47条の2)と明記して、それぞれの独占業務の線引きをしている。つまり、弁護士とか公認会計士の業務は、一般の無資格者であっても報酬をもらわない限り、つまり無償でさえあれば、誰がやっても構わないということだ。弁護士の独占業務である法律事務であってもお金さえもらわなければ(無償)誰がやっても構わないし、公認会計士の監査でも同様である。考えるまでもなく当然のことだ。

 ところが税理士法では単に「業とする」という文言にとどめ、拡大解釈される余地を残したことからおかしなことになった。有料はもちろんのこと、無料であっても、税理士でない者は一切税理士事務をしてはいけないことにしてしまった。国税庁が、「業とするとは、税理士事務(税理士法第2条第一項一~三)を反履継続して行うことをいい、必ずしも有償であることを要しない」とする御用学者の見解と一部下級審判決に飛びついて内規として定め、いわゆるニセ税理士摘発の有力な武器にしているのである。

 ちなみに、ここでいう税理士とは、単に税理士となる資格を持っている者のことではない。税理士会に入会して税理士登録した者のことだ。従って、たとえば弁護士とか公認会計士は誰でも税理士となる資格を持っているのであるが、税理士会に入会して登録しない限り、税理士を名乗ることもできなければ、税理士の仕事もできないようになっている。強制入会制である。

 私がこの強制入会制が税理士制度における2つのガンの一つであると指摘したのは、入会する手続きとか、会員である税理士に対する懲戒手続きが極めて不透明であり、事実上税理士の生殺与奪の権を税理士会が握っているからだ。税理士会の中には多くの内規があるようであるが全くの秘密とされていて、税務当局、あるいは税理士会の気に入らない税理士がいれば、あれこれと言いがかりをつけて入会手続きを引き延ばしたり(続・いじめの構図 -1)、懲戒処分を平気で行なったりして税理士会からはじき出そうとしているのが現実である。

 先日も東京在住の税理士の方から信じられないようなお話をお聞きしたばかりである。東京税理士会が、およそ問題となりえないような些細なことがらに因縁をつけて、懲戒処分に及んだというのである。異端分子と勝手に決め付けて、村八分にするための嫌がらせである。先に、ゲー・ペー・ウー(秘密警察)と称したのはこのことだ。

 納税は、憲法で定められた国民の義務である。その義務を履行するのに一握りの税理士にしか頼ることができないようにしているのが、税理士業務の独占性であり、なかでも「無償独占性」だ。

 「業務独占性」のシバリがある以上、国民が憲法で定められている納税義務を履行するために、わざわざ税理士のところまで出向いて、しかも通常はお金を払ってまで相談をしたり、申告書を書いてもらわなければならないこと自体、考えてみればおかしなことだ。その上、税理士ではない人には、たとえ無償であったとしても税金のことについては一切頼ってはいけないとするに及んでは、何をか言わんやである。どのような屁理屈をつけても大義名分が立つはずのないものだ。

 税金問題に関心のある人達、たとえば税法学者、税法を勉強している学生、税金問題を追及しようとしているジャーナリスト、これらの人達が、納税者に会って直接話を聞くことができないのである。納税者に会って直接話を聞くことは、相談業務に該当するとされ、たとえ無償であっても刑事罰の対象とされるからだ。このことは税務事例の検討・研究が税理士以外は全くできないことを意味する。

 このために、税金の問題、ことに税務調査の問題が、一般の人達の議論になりにくくなっている。先に、税務行政における不正が、闇から闇に葬られていると言ったのはこのことである。

 私は、税理士の仕事は税理士だけの独占とすることなく、広く一般に開放し、無償の場合はもちろんのこと、有償であっても誰でもすることができるようにすべきであると考えている。税理士に、このような特権を認めているのは、世界広しといえども日本と韓国しかない。しかも、その韓国でさえ、有償だけに限定しており、日本のような無償独占性など認めていないのである。一握りの利権集団である税理士業界の権益を守るためのものでしかない税理士事務の独占性、なかでも無償独占性は、一般の納税者の視点からすれば、一片の大義名分さえ見出し得ないシロモノであり、直ちに廃止すべきである。


(注)ゲーペーウー(GPU、もしくはГПУ)

《Gosudarstvennoe politicheskoe upravlenie 》
《осударственное политическое управление 》

ソ連の国家政治保安部の略称。反革命運動の取り締まりを任務とした秘密警察。1922年に設置され、34年に内務人民委員部に吸収された。(Yahoo!辞書「大辞泉」(JapanKnowledge提供) ゲー‐ペー‐ウー【GPU】より引用)

「ゲーペーウー」は、キリル文字のロシア語読みのカナ表記。

»「5. 税制の抜け穴」へ続く


目次

【第一部】脱税摘発の現場から
1. 暴力装置としての徴税権力(2010-10-05)
2. 最近の相談事例(2010-10-05)
3. 隠れマルサ-料調の実態(2010-10-05)
4. 脱税・冤罪事件の3つの原因(2010-10-05)
5. 税制の抜け穴(2010-10-05)

【第二部】税務署なんて恐くない!
6. 恐さの正体(2011-01-25)
7. 税務調査の立会い1(2011-01-25)
8. 税務調査の立会い2(2011-01-25)


※「間違いだらけの税務調査」のご利用にあたっては、必ず注意事項をお読み下さい。

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