間違いだらけの税務調査 【無料相談窓口】税金6億円超を取り消させ、財産と信用を守り抜いた実体験をもとに実施中

脱税摘発の現場から

実際の相談事例や体験をもとに、税務調査の実態や税制の抜け穴、立会いの仕方等を、山根治公認会計士・税理士が解説。税理士必見!
 【解説】山根治公認会計士・税理士

【第一部】脱税摘発の現場から

3. 隠れマルサ-料調の実態 (2010-10-05)

 査察事案以上に私のところに相談がきているのが、隠れマルサとも称されている「料調」(リョウチョウ)事案である。ここにいう「料調」とは、各国税局に設置されている資料調査課による税務調査のことだ。法律上は通常一般の税務調査の体裁をとるものの、その実態は強制調査であるマルサと酷似している。隠れマルサとも、あるいはミニマルサとも称されている所以(ゆえん)である。ネライはズバリ、脱税の摘発である。

 まず、十分な内偵をして脱税の端緒となるしかるべき証拠を握った上で、調査に臨むのが普通である。料調が事前につかんでいる証拠は、裁判所からの捜索令状(臨検捜索差押許可状)をとろうと思えば直ちにとれる位のもので、それを敢えて令状なしで調査に入るのである。

 もちろん事前通告などはしない。予告なしで突然押しかけてくる。しかも、動員する人数もマルサほどではないが、多人数であり、納税者本人のところだけでなく、複数の関係者に対して同時に調査を行なうことが多い。

 強引かつ威圧的なやり方をするために、突然の襲撃にも等しい仕打ちを受けた納税者は気が動転して、てっきりマルサと勘違いするようである。むしろ、敢えて勘違いさせるように行動していると言った方がいいかもしれない。

 私の事件(冤罪を創る人々)がまさにそうであった。強制調査(マルサ)の前に、広島国税局資料調査課の税務調査がなされていたのであるが、犯罪捜査そのものであった。

 今でも忘れることができないのは、広島国税局の料調のメンバー5人が私の事務所に押しかけてきたときのことである。平成5年7月、マルサのガサ入れの2ヶ月ほど前のことであった。

 同じような黒服を身につけた5人のギラギラした男達が私一人を所長室に閉じ込め、座っている私を上から見下すようにして5人が取り囲み、強圧的な尋問を始めたのである。まさに極悪犯人を捕まえて犯行を自白させようと眼を血走らせている刑事さながらであった。

 その後、料調から査察へと切り替えられたのであるが、以後の経緯については冤罪を創る人々で事実に即して詳しく述べたところである。

 最近私のもとに寄せられてくる料調事案も全く同じパターンだ。料調のことをミニマルサということについては先に述べたが、ミニとはいっても決してマルサ事案に比較して脱税規模が小さいものを扱うわけではない。むしろ逆に、脱税規模はマルサよりもはるかに大きいのが多いのではないか。マルサとの違いは単に捜索令状があるかないかだけのもので、国犯法の制約を受けないことを逆手にとって、大型事案を手っ取り早く片付けようとするネライがあるようだ。

 税務職員に与えられている質問検査権は、犯罪捜査のために用いてはならないことは既に述べたところである。ところが、コッパン法による強制調査ではないにも拘らず、実態として脱税摘発という犯罪捜査を行なっているのが料調だ。

 税務調査の類型としては、通常の税務調査(各税法に定められた質問検査権にもとづく任意調査)と脱税摘発(コッパン法にもとづく強制調査)の二つがあるが、料調はこのどちらにも属さない。あくまでも任意調査の形式をとりながら、脱税摘発を行なっているからだ。

 このために、料調のことを任意調査と強制調査の他に存在する第三の調査類型であるとしている税法学者もいるほどである。法定外の存在、つまり闇の存在といったところである。


料調事案の実例

 この半年ほどで受けた料調事案の相談は3件であった。東京国税局、名古屋国税局、広島国税局、それぞれの資料調査課による調査である。

 3件のうちの1件は、調査開始直後の相談であったために、立会を引き受けて料調側と十分に話し合いができたことから、料調側が突きつけてきた脱漏額を大幅に削減することができただけでなく、不正認定もゼロとすることができた。立会人と料調との信頼関係が早い段階で構築できたことが大きかった。

 残りの2件は調査終盤での相談であった。一件については立会を引き受けたものの、料調側との話し合いが全くできなかった。すでに修正申告の慫慂(しょうよう。そうする方が君のためだと言って勧めること-新明解国語辞典)が期限付きでなされており、2回にわたって国税局まで出向いて交渉を行なってみたものの、全く聴く耳を持たぬといった状況であった。門前払いである。

 予告されていた期限が過ぎた直後に、青色申告取消処分と更正処分・重加算税賦課決定処分がなされたために、異議申立て、国税不服審判所への審査請求を行なったのはいうまでもない。

 案の定、国税側から改めて示されたそれぞれの処分理由は、「厳格な証明」どころか直ちにウソが判明するようなオソマツ極まりないものであった。この国税局は東京国税局であるが、この局の料調はズサンな調査を一方的に行なった挙句、明らかに事実に反すること(つまり、物証によって事実に反することが証明できること)を、平然として公文書である通知書に書き込んでいるのである。

 2回の交渉と異議申立てにかかる調査において出会った東京国税局の料調の人達は、合わせて7人、うち3人は主査の肩書を持っていた。料調のやることに文句をつけるとは何ごとだと言わんばかりの横柄な態度が印象的であった。

 中でも一人の主査は、

「オレは東京国税局の××だ。間違ったことを言うはずがないし、間違ったことなどするはずがない。」

と、威丈高に言い放った。

 今一つの事案は、相談は受けたものの、実際の立会に入ることはできなかった。これまた料調から最後通牒を突きつけられており、国税OBの4人の顧問税理士と税務裁判に明るいと自称する複数の弁護士からのアドバイスを受け入れて、修正申告の慫慂に応じることになった。

「このまま突っぱねていたら査察に回されて、社長が逮捕されるおそれがある。裁判になったら、国が相手のものであるから勝てる見込みはほとんどない。おとなしく修正に応じた方がいいのではないか」

 かわるがわるこのように説得されて、金で済むことならと不承不承応じたのがことの真相である。

 この案件については納税者側から数時間にわたって詳細な事情説明を受け、その後、日を改めて社長とはじっくりと話し合ったのであるが、私の判断によれば、料調が突きつけていた脱漏所得のほとんどが課税対象になるものではなく、仮装・隠ぺい行為(不正行為)にいたっては皆無であった。

 脱税ではないのに脱税だと脅され、そもそも課税対象にならないものに課税するといって騙されて、料調の間違った言い分に屈する羽目になる背景には顧問税理士の存在がある。査察と同様に、脱税の摘発を目的としている料調に直面した場合、納税者以上に大変な思いをするのが顧問税理士だ。脱税を指南した、あるいは指南しないまでも知っていて黙認したのではないかと疑われ、脱税の共犯とか税理士法違反をチラつかされて脅されるからである。納税者が責任を少しでも逃れようとして、顧問税理士の指導を受けたとか、あるいは相談をして了解を受けていたなどと供述したらそれこそ大変である。それだけで税理士が逮捕されることがあるからだ。

 これまでも数多くの税理士・会計士が納税者の一方的な供述だけで逮捕されており、最近でも名古屋在住の税理士が納税者のウソの供述によって逮捕され、200日余り拘留された挙句刑事法廷に引きずり出されたことがあった。この場合は幸いにも無罪の判決を得て決着したものの、逮捕・拘留されたデメリットは図り知れないものがある。(尚、この事例については、脱税指南事件、2審も無罪 検察側の控訴を棄却を参照のこと)

 私の知り合いの税理士・会計士で、顧問先が脱税の摘発を受けた際に、国税当局から恫喝されて極度のノイローゼ状態に陥り、仕事の意欲を喪失して廃業を余儀なくされたのが2人いる。その心痛は並大抵のものではなかったようである。

 このような現実があることから、顧問先が脱税摘発の対象になった場合、さわらぬ神に崇りなしとばかりに知らぬ存ぜぬを押し通して逃げてしまう税理士・会計士が多いのが実際のところだ。逃げないで対応する場合でも、できるだけ自分達に火の粉がかかってこないようにするために、査察とか料調の代弁者となって納税者を説得して、なんとか素直に税金を払わせて穏便にことを運ぼうとするのである。納税者が理不尽な不利益を受けることよりも、まず自分達の身の安全を図るということだ。保身である。


»「4. 脱税・冤罪事件の3つの原因」へ続く


目次

【第一部】脱税摘発の現場から
1. 暴力装置としての徴税権力(2010-10-05)
2. 最近の相談事例(2010-10-05)
3. 隠れマルサ-料調の実態(2010-10-05)
4. 脱税・冤罪事件の3つの原因(2010-10-05)
5. 税制の抜け穴(2010-10-05)

【第二部】税務署なんて恐くない!
6. 恐さの正体(2011-01-25)
7. 税務調査の立会い1(2011-01-25)
8. 税務調査の立会い2(2011-01-25)


※「間違いだらけの税務調査」のご利用にあたっては、必ず注意事項をお読み下さい。

このページを共有する

[対策] 税務調査や査察から財産と信用を守るリスクコンサルティング

*税金6億円超を取り消させ、財産と信用を守り抜いた実体験をもとに、税務調査や査察に悩む納税者のための無料相談を実施中。 [対策] 詳細を見る
〒690-0842 島根県松江市東本町5-16-9
株式会社フォレスト・コンサルタンツ (代表取締役:山根治公認会計士・税理士
 TEL:0852-25-5784 FAX:0852-25-5789
 URL:http://ma-bank.com/ E-mail:consul@mz-style.com
対応方法 - 注意点 - 流れ - ノート - 冤罪 - 生涯税金 - リンク -