間違いだらけの税務調査 【無料相談窓口】税金6億円超を取り消させ、財産と信用を守り抜いた実体験をもとに実施中

脱税摘発の現場から

実際の相談事例や体験をもとに、税務調査の実態や税制の抜け穴、立会いの仕方等を、山根治公認会計士・税理士が解説。税理士必見!
 【解説】山根治公認会計士・税理士

【第一部】脱税摘発の現場から

2. 最近の相談事例 (2010-10-05)

 最近私のところに寄せられてきた脱税事件の相談は10件余りである。事例の中にはどのように釈明しても言い訳の通らない、明らかな脱税があったし、中には脱税にからんで許しがたい反社会的な行為をしているケースもあった。私はそのようなケースについては全て関与するのを断ることにしている。私の役割は脱税をモミ消したり、犯罪を糊塗したりすることではないからだ。

 しかし、寄せられてきた相談の大半は、脱税(不正)どころか、そもそも税金をかけること(過少申告加算税の対象となること)さえ疑わしいものであった。そのような相談に接するたびに我が目と耳を疑い、絶句した。明らかな冤罪である。脱税に関して冤罪がデッチ上げられたのは、決して私一人ではなかったのである。

 北は札幌国税局をはじめ、東京国税局、名古屋国税局、大阪国税局、広島国税局と、ところも変れば税目も変っており、内容も様々である。

 しかし、一致しているのは、何故このようなものを敢えて不正と認定して、脱税犯として訴追したのか不可解であったことだ。中には私のケースと全く同様に、事情をよく知らない関係者を脅したり騙したりして無理矢理事実とかけ離れた、あるいは事実に反する質問てん末書(査察)とか供述調書(検察官)を創り上げているケースがあった。証拠の捏造である。

 あるいは、ストック・オプションに関する脱税事件にいたっては、給与所得ではなく一時所得として申告したことをとらえて、不正と認定するなど、およそ考えられないようなケースもあった。

 そもそもストック・オプション課税については、国税当局自ら一時所得とするように指導してきたところであり、近年急に解釈を変更して給与所得として課税するようになったものだ。今でも学説としては、一時所得とする見方が根強く残っているものであり、単に更正処分をして追徴するだけならばまだしも、一歩踏み込んで不正認定をして刑事訴追までするなど、行き過ぎもいいところである。

 この2つのケースは共に追徴されただけではなく刑事法廷の場で裁かれ、エスカレータ式にことが運び有罪の判決が下されている。

 かつて私の事件と同じ頃に、九州の開業医が脱税で摘発され、刑事訴追されて、最高裁まで争ったものの有罪が確定したことがあった。私は第一審では本件である査察事案については無罪となったが、付録のようにくっつけられた件が脱税であると認定されて有罪とされてしまったことを受けて、税法学者としての鑑定意見を求めて、日本税法学の第一人者であり、北野税法学を樹立されていた故北野弘久先生のもとを訪ねたときのことであった。九州の開業医の脱税事件には、北野先生も深く関与されており、私もその事案を先生から直接お聞きして、その概要を把握した。

 この事例は北野弘久著「税法問題事例研究」(勁草書房)で詳しく紹介されているが、北野先生が冤罪であるとして憤慨されており、当の開業医も

「こんなヌレギヌを着せられたままでは、死んでも死にきれない」

と慨嘆なさっていたという。

 たしかにヒドイものであった。自費診療分の収入金が脱漏したことを疑われたものであるが、何のことはない、収入金が漏れていると同時に、全く同じ額の必要経費が漏れていただけの話であった。一言で言えば密告を真に受けた査察官の一人合点であり、予断にもとづく思い込みであった。開業医の妻がプライベートに作成していたノートを、愚かな査察官が「B勘」(裏帳簿のこと)と早トチリしただけのことである。不正(脱税)でないだけでなく、追徴課税さえすべきではないもので、北野先生はこのノートのことを、所得税法施行規則57条1項の「正規の簿記の原則」にもとづく簿記であると論述されている。けだし正論である。

 この開業医は長年地域医療に携ってきた、地元の名士である。それが、ヌレギヌを着せられて一瞬のうちに奈落の底につき落された。私も実際に逮捕され刑事法廷に引きづり出された苦い経験を持っているだけに、私とは違い文字通り功なり名をとげた感のあるこの開業医の慨嘆が一入(ひとしお)身にしみたものであった。


10億円超の大型脱税事件

 三年間の資格停止期間(「冤罪を創る人々」前科者としての元公認会計士参照)を終え、会計士と税理士の再登録が完了してほどなく、相続に関する脱税事件の相談が舞い込んできた。脱漏額10億円超、追徴税額は本税・重加算税合わせて10億円超という大型事案である。第一審判決が下った直後のことで、地裁の判決は、

相続人に実刑、罰金は3億円超

といった厳しいものであった。

 詳しく話を聞いていくうちに、なんだかおかしいことが分かってきた。査察のインチキ臭がプンプンするのである。膨大な裁判資料に目を通すに及んでそれは確信に変っていった。間違いなくどこかでゴマカシが行なわれている。それは何か。

 事件の概要を把握した私は、三人の弁護士に呼びかけて弁護団を組み、国税不服審判所の審査請求と控訴審の弁護を引き受けることにした。一人は市民オンブズマンの代表をつとめ、数多くの行政訴訟に成果をあげている弁護士であり、一人は、これまでに無罪判決を20以上もかちとった実績のある刑事専門の弁護士である。今一人はこれら二人のベテラン弁護士をサポートする実務能力に秀れた若い弁護士であった。

 事件を引き受けてから二年あまり、私達はその間十数回の弁護団会議を開催し、問題点の洗い出しを徹底的に行なった。審査請求をし、控訴趣意書を提出してから一年以上が経過しているが、いまだ審査請求も放置されたままであるし、控訴審も開かれていない。ことに刑事事件の控訴審が一年以上も放置されているのは異例のことだという。高裁もかなり慎重になっているようである。

 この事件について判明した国税と検察のインチキのシナリオは次の通りであった。

1.故人(被相続人)のものとされ、相続財産とされた大半は、故人のものではなく、第三者のものであったにも拘らず、強引に故人のものと認定。

 このインチキ認定の根拠とされたのが、関係者の供述と怪しげな「財産形成シミュレーション」であった。

1)関係者の供述について
 数十時間に及ぶ査察の取調状況のほとんど全てが録音されていたこと、検察側証人として出廷する前に検察庁で行なわれた「証人テスト」と称する口裏合わせの状況が録音されていたことによって、質問てん末書(査察作成)と供述調書(検察官作成)とが真実にもとづくものではなく、騙しと強迫によって創り上げられたシロモノであることが明らかになった。私の冤罪事件と全く同じことがここでも繰り返されていたのである。ちなみに、この事件を取り仕切った検察官は、私の冤罪事件をデッチ上げたインチキ・グループの一員であった。
2)「財産形成シミュレーション」について
 インチキのシナリオに合わせるように創り上げられたもので、いくつかの点でミエミエの小細工が施されていた。小細工を補正した上で、改めて「財産形成シミュレーション」を行なったところ、逆に、残された財産の大半は故人(被相続人)のものではあり得ないことが明らかになった。
 国交省が、費用対効果(B/C)を計算するのに姑息なインチキを施しているのと同断である。

2.相続財産とされたうちの現金残高を6億円余りも水増し認定。

 全ての預金等の動きが相続開始前10年以上にわたって克明に追跡調査されており、かつ、ガサ入れ時点での現金を含めた財産がキッチリと把握されているのであるから、相続開始時点の現金残高の把握は簡単にできるはずである。

 ところが、査察が行なった計算は、通常の実務慣行を無視した誠に珍妙としかいいようのないものであって、明らかに間違っていた。しかも、間違っていることが簡単に証明できるものであった。

 このようなインチキが、なぜまかり通るのか不思議である。第一審では多額の追徴を認めて相続人の財産をほとんど取り上げただけでなく、懲役の実刑と巨額の罰金まで下しているのである。

 先に述べたように、査察のインチキ・シナリオが、チェック・システムを欠いた現在の司法制度に乗っかって、素通りしている。検察官、裁判官の責任が大きいのは当然ではあるが、弁護人の責任も重大だ。

 この事件の第一審弁護人は、税金裁判を数多く取り扱っている弁護士であり、それなりに名の知られた存在であった。ところが、まともな弁護活動がなされていなかった。国税と検察のインチキ・シナリオの解明が全くなされていない。とりわけ肝腎の数字の読み込みがなされていないのである。

 査察官調書だけでも、この事件の場合6,000枚にも及ぶものだ。しかもそのほとんどが数字の羅列である。実のところ、このような数字を読み解き、厳格な証明をチェックするのは弁護士の仕事でもなければ、税理士の仕事でもない。広い意味での監査の仕事であり、私達会計士の仕事である。鑑定と言ってもいいかもしれない。脱税事件だけでなく、民事として扱われる税務訴訟においても、数字がからむ「厳格な証明」がキーポイントとなる以上、私達会計士の役割は重大である。


»「3. 隠れマルサ-料調の実態」へ続く


目次

【第一部】脱税摘発の現場から
1. 暴力装置としての徴税権力(2010-10-05)
2. 最近の相談事例(2010-10-05)
3. 隠れマルサ-料調の実態(2010-10-05)
4. 脱税・冤罪事件の3つの原因(2010-10-05)
5. 税制の抜け穴(2010-10-05)

【第二部】税務署なんて恐くない!
6. 恐さの正体(2011-01-25)
7. 税務調査の立会い1(2011-01-25)
8. 税務調査の立会い2(2011-01-25)


※「間違いだらけの税務調査」のご利用にあたっては、必ず注意事項をお読み下さい。

このページを共有する

[対策] 税務調査や査察から財産と信用を守るリスクコンサルティング

*税金6億円超を取り消させ、財産と信用を守り抜いた実体験をもとに、税務調査や査察に悩む納税者のための無料相談を実施中。 [対策] 詳細を見る
〒690-0842 島根県松江市東本町5-16-9
株式会社フォレスト・コンサルタンツ (代表取締役:山根治公認会計士・税理士
 TEL:0852-25-5784 FAX:0852-25-5789
 URL:http://ma-bank.com/ E-mail:consul@mz-style.com
対応方法 - 注意点 - 流れ - ノート - 冤罪 - 生涯税金 - リンク -