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税務調査の注意点

税務調査や査察から財産と信用を守るための注意点や対策等を、山根治公認会計士・税理士が解説。
【監修】山根治公認会計士・税理士 【関連リンク】税務調査の注意点
税務調査を受けた際の注意点等 (2013-01-10)
1. 税務調査の立会人に関する注意点
 まず信頼できる人に立会ってもらうことです。必ずしも税理士である必要はありません。
 国税局や税務署は守秘義務などを持ち出して税理士以外の立会人を認めようとしないようですが、税務調査の立会いは税理士の独占業務ではありませんし、税務当局が税理士以外の立会人を排除する合理的な理由は見当りません。もちろん守秘義務についても、納税者本人が了解しているのですから理由にはなりません。判例でもそのことは確認されています(東京地裁、昭和38(ワ)10917号)。
 不当な税務調査を防ぎ、納税者の権利を守るためにも、しっかりと国税局や税務署に物申すことのできる立会人が必要です。(ただし、税理士法第二条1項により、税理士以外の者が代理人として税務に関して主張することは認められません
2. 事前通知のない税務調査に関する対応方法
 予告のない突然の税務調査は断ることができます。任意調査である以上当然のことであり、断るのに特別の理由など必要ではありません。予告なしの抜き打ち調査が常態化し、ともすれば強権的になりがちな、国税局資料調査課(リョウチョウ)による調査も、任意調査であることに変りありませんので、同様です。いったん帰ってもらいましょう。納税者と立会人の都合に合わせて、改めて調査日程を決めればいいでしょう。
【追記】平成25年1月1日施行の改正国税通則法第七十四条の九により、税務調査の事前通知が原則的に義務付けられました。
3. 帳簿書類等を調査される場合の対応方法
 税務調査は申告した納税額についてのものですから、帳簿書類等を無制限に調べることはできません。
  1.  進行年度の帳簿書類とか証憑類は原則として見せる必要がありませんし、税務調査時点での現金などの調査(現況調査)は断ることができます。
  2.  税額計算に直接的な関係のない契約書等の重要書類や、機密文書など見せる必要はありません。とくに、法律によって守秘義務が課せられている医師、弁護士、公認会計士などの、患者とか顧客の個人情報については単に見せる必要がないだけではなく、見せてはいけないものです。ちなみに、税理士も税理士法の建前としては守秘義務が課せられている(税理士法38条、59条)のですが、一方、国税局や税務署に対しては顧客の相談内容などは洗いざらい開示することが義務付けられています(税理士法41条、55条)ので、こと税務当局に対しては守秘義務がないに等しいのです。大切な相談内容が国税局や税務署に筒抜けということです。
【追記】平成25年1月1日施行の改正国税通則法第七十四条の九により、税務調査の事前通知が原則的に義務付けられ、調査の対象となる税目や期間、帳簿書類その他の物件が明示されることとなりました。なお、調査の目的を達成するために必要であるときに限り、事前通知した期間以外の期間(進行年分を含む)に係る帳簿書類その他の物件も含まれることになる可能性があるので注意が必要です。
【参考】 質問検査権の行使は無制限に認められるか。(近畿青年税理士連盟 兵庫県支部)
4. 帳簿書類等を勝手に捜索されそうになった場合の対応方法
 税務調査は任意調査ですので、納税者の了解なしで、勝手に事務所とか工場の中に入ったり、あるいは机の引き出しとか金庫を開けたりすることは許されていませんし、納税者の了解なしで、勝手に従業員に質問したりすることも許されていません。帳簿書類等の捜索は違法です。断りましょう。
 断ったにもかかわらず、帳簿書類等の捜索を強行された場合、納税者支援調整官制度や請願法を活用して、国税局や税務署に対して抗議することが可能です。
【追記】平成25年1月1日施行の改正国税通則法第七十四条の七により、税務調査について必要があるときは、当該調査において提出された物件を留め置くことができる、とされました。
【参考】 納税者の許可なく、机の引出しや金庫等を調べることができるか。(近畿青年税理士連盟 兵庫県支部)
【参考】 納税者支援調整官|国税庁の機構|国税庁概要・採用|国税庁(国税庁)
【参考】 請願法(総務省:電子政府利用支援センター)
5. 反面調査に関する対応方法
 取引相手の税務調査に関連した調査(反面調査)に対しては、無条件に対応する必要はありません。最近、反面調査が当然のように濫用される傾向にありますので、まず、相手先に確認して了解を得、かつ反面調査の趣旨を確認してから対応するようにしましょう。税務署の言いなりになっていますと、場合によったら取引先からの信頼を大きく傷つけるおそれもありますので気を付けましょう。
6. 署名捺印を求められた場合の対応方法
 国税局や税務署の調査官が勝手に文書を作成して納税者に確認の署名と印鑑を求めることがあります。このような文書に署名したり捺印したりするのは納税者の義務ではありませんので、原則として断りましょう。やむを得ず署名捺印するときは、立会人によく相談した上でしましょう。調査官の機嫌を損じてはいけない、とか、あるいは、早く調査が終るなら、などと安易に考え、事実と異なる内容の文書に署名したりしますと、文書が一人歩きを始め、場合によったら取り返しのつかないことになるおそれがあります。
 国税局資料調査課(リョウチョウ)による税務調査(任意調査)において、質問てん末書(国税局査察部による査察において作成される供述調書)に似た文書を作成し、署名捺印を強要するケースがあるようですが、前述の通り、納税者の義務ではありません。信頼できる立会人とよく相談した上で、署名捺印をするか否かを判断しましょう。やむをえず署名捺印した場合にはコピーを残しておきましょう。
【参考】 ハニックス工業事件の真相(株式会社フォレスト・コンサルタンツ)
7. 税務調査の受忍義務に関する注意点
 税務調査がズルズルと長引いて、相当の期間を経過してもなお終了しないときには、調査理由の開示を求めましょう。これまで何を調査したのか、未調査のものには何があるのか、具体的に詳しく問い質すことです。その上で、税務調査を継続する合理的な理由が示されないときには、税務調査の中止を申し入れることです。納税者の受忍義務は無制限ではありません。
 嫌がらせのために調査を長引かせていることが明らかな場合には、公務員の非違行為として(インターネット等で)公表することも検討しましょう。公表を示唆するだけで、嫌がらせはぴたりと止まるはずです。
 また、納税者支援調整官制度や請願法を活用して、税務当局に対して抗議することも検討しましょう。
【追記】平成25年1月1日施行の改正国税通則法第七十四条の十一により、税務調査の終了通知が義務付けられました。
【参考】 納税者支援調整官|国税庁の機構|国税庁概要・採用|国税庁(国税庁)
【参考】 請願法(総務省:法令データ提供システム)
8. 調査事実の証拠保全に関する注意点
 税務調査の始めから終りまで記録しておきましょう。誰が来て、どのような質問をし、どのような税務調査をしたのか克明にメモをしておくことです。とくに、調査のときに調査官と取り交わした約束ごと、例えば問題がない訳ではないが今回は敢えて否認しない項目(是認項目)とか、重加算税の対象とするかどうか(重加対象項目)、あるいは今後の税務処理をどうするか(指導事項)などについては、明確な形で残しておく必要があります。税務署も他の役所と同様に、口約束が守られる世界ではないからです。
 文章にして担当調査官(統括調査官)のサインを求めればいいのですが、それができなければ、文章にしたものを担当調査官の面前で読み上げて、その読み上げた事実を税務調査ノートに記録しておくことです。約束ごとの書面化です。
 国税局や税務署の調査官の名刺は必ず受け取り、大切に保存しておきましょう。同時に、身分証明書・質問検査証の提示を求め、名前・登録No.等必要なことがらを記録しておきましょう。
 税務調査の状況を記録するには税務調査ノートが最適です。被疑者ノート(日本弁護士連合会)を参考に作成したもので、税務調査の状況を克明に記録することにより不当な税務調査を抑止する効果が期待できます。
 また、国税局や税務署はイヤがるようですが、録音、録画しておくといいでしょう。録音するなら税務調査をしないとか言って席を蹴って帰ることがありますが、気にすることはありません。不必要なトラブルを避けたいのであれば、隠しマイクでも使えばいいでしょう。
 公務の執行を、主人公である国民が記録するのに何のはばかりもありません。不当な税務調査を抑止するのに大きな効果を発揮します。最近の査察(マルサ)事案に関して、査察官の質問状況が全て録音されていたために、査察官が作成して法廷に証拠として提出された質問てん末書が、捏造されたものであることが明らかになったケースがあります。
9. 修正申告を求められた場合の注意点
 税務調査が一段落しますと、調査結果の一覧表(指摘事項一覧表)をもとに修正申告をするように勧められます。修正申告の勧奨と言われているものです(注:平成24年12月31日以前は「修正申告の慫慂(しょうよう)」と言われていたものです)。納税者が修正申告に応じてくれることは、国税局や税務署としたら手間がかからずにそのまま調査官の実績となりますので、なんとか修正申告をさせようとします。
 指摘事項一覧表には、期毎の否認事項とその内容が記されているだけでなく、不正(仮装・隠ぺい)の有無が記されています。指摘事項一覧表が提示されたらまずそのコピーを求め、関与税理士と共に詳しい説明を求めましょう。指摘事項が十分に納得できるものであれば、修正申告に応じてもいいでしょうが、早く税務調査を終えたい、とか、調査官の機嫌を損じたらいけない、などと考えて安易に応じてはいけません。ひとたび修正申告したが最後、例えば国税局や税務署に騙されて修正をしたことが後になって判明した場合でも、再調査(旧.異議申立て)や審査請求をすることができなくなり、納税者を救済する道が完全に閉ざされてしまうのです。
 それだけではありません。不正(仮装・隠ぺい)認定処分が一定額以上の場合には、担当調査官の意向とは関係なく、査察部門に回付され、刑事事件に発展することがあります。6.の「文書が一人歩きを始める」ことと同様のことが起きかねません。とくに近年、仮装・隠ぺいに該当しないものまで不正認定がなされ、重加算税の賦課がなされている傾向がありますので、気をつけましょう。重加算税の賦課は、修正申告(あるいは更正)の後にされる処分ではありますが、修正申告に応ずる前に、重加算税の対象のもの(重加対象所得)をどのようにするか、予め担当調査官との話し合いを済ませておくことです。前述の通り、指導事項一覧表に明記されていますので、それをもとに話し合えばいいでしょう。
 話し合いがつかないか、あるいは話し合いをしたにも拘らず、後日重加算税の賦課決定処分がなされた場合には、ためらうことなく再調査(旧.異議申立て)、あるいは不服審査請求を行ないましょう。金額の多少に拘らず、不正認定に対しては安易に妥協することは禁物です。近年、不正認定が乱発されていますので気を付けましょう。
10. 再調査(旧.異議申立て)・不服審査請求の注意点
 修正申告の勧奨(慫慂)に応じて修正申告の道を選ぶのか、あるいは拒否をして更正の道を選ぶのかについての基本的な考え方は9.で述べた通りです。
 たしかに話し合いで決着がつけばそれに越したことはありません。しかし、ギリギリのところで交渉しているとどうしても話し合いがつかないことがあります。とりわけ、税務当局がゴマカシをしていたり、勘違いをしていたりしているような場合(このようなケースが非常に多い)には、話し合いがつかないことが多いでしょう。
 そのような時には、ためらうことはありません。根負けして、しなくともよい修正申告、更にはしてはいけない修正申告(とくに重加対象所得がある場合)に応ずることはせずに、更正の道を選び、再調査(旧.異議申立て)、あるいは不服審査請求の可能性を残しておきましょう。
 税務当局に異をとなえることを嫌い、再調査(旧.異議申立て)や不服審査請求をなんとか避けようとしている税理士が多いのは事実です。納税者に修正申告をさせたとしても、自分のフトコロが傷むわけではありませんし、指摘事項に従ってさえいれば、税務当局との関係が一見良好であるかのような演出ができるからです。長年税理士業務をしている年輩の税理士の中には、一度も再調査(旧.異議申立て)を行なったことがないことを自慢にしている税理士もいますし、極めつけは、納税者から再調査(旧.異議申立て)を強く求められて、「どうしても再調査(旧.異議申立て)をせよというのなら関与税理士を降りる」とまで言い出す税理士もいるほどです。
 たしかに、税理士事務所の経営の面からすれば再調査(旧.異議申立て)を引き受けることは、手間ばかりかかってとても採算に合う仕事ではありませんし、どのように無茶な修正事項であろうとも、税務当局に従ってさえいれば一見スムーズにことは運ぶでしょう。しかし、このようなやり方は全て納税者の利益を無視したものであり、納税者の犠牲の上になされていることを忘れてはいけません。
11. 顧問税理士の対応に不信感を抱いた場合
 法人税や相続税の税務調査を受けた場合、顧問税理士に相談したり、立会してもらうことが多いと思われます。
 ところが、税理士によっては納税者の味方か税務署の味方か分らないような酷い対応をすることがあります。日頃は納税者の味方であるかのように装いながら、肝心な時に納税者を助けようとしないのです。助けようとしないだけでなく、税務署の手先となって動く税理士もいるようです。とくに、税務署OBには要注意です。
 そのような場合、税務調査対策に精通した別の税理士に相談することをお勧めします。最善の決断をするために第三者に意見を求めるのです。医療におけるセカンド・オピニオンの税理士版と考えればいいでしょう。
 税務調査(とくにリョウチョウ)については、ほんの一握りの税理士しか十分な対応ができない、これが現実です。
 不利益を被るのは顧問税理士ではなく、納税者であるあなた自身です。顧問税理士の対応に不信感を抱いたならば、自分の身を守るためにも一刻も早く別の税理士にセカンド・オピニオンを求めるべきです。
 税務署内で税務調査の結果についての方針(否認項目とか重加算税の認定など)が固まってしまいますと、担当調査官との交渉において否認項目や重加認定などを撤回させることが困難になり、税理士がとるべき対応策は限定されます。納得のいかない修正申告や、思いもよらない更正や決定処分が下されたりしますと、たとえ不服があったとしても税金の徴収は待ったなしでやってきます。そのときになって慌てても手遅れです。
 不本意な否認項目や重加認定を内容とする修正申告や、承服しがたい更正・決定処分を回避するためには、担当調査官と粘り強く交渉し、十分に納得のいく修正申告にもっていく必要があります。実りある交渉にするためには、可能な限り税務調査の初期段階からセカンド・オピニオンとしての税理士が関与することが効果的です。とりわけ、通常の税務調査とは全く異なる国税局の資料調査課による調査(リョウチョウ)については、セカンド・オピニオンの立会いを含む対応が、早ければ早いほど効果的です。
 以上が、セカンド・オピニオンとして幾度となく税務調査に立ち会ってきた私自身の偽らざる本音です。
【関連するコンテンツ】
[対策] 税務調査の流れ
[対策] 税務調査ノート
【関連する質問】
納税者の権利とは
税務調査と査察の違い
国税局や税務署に苦情や不服がある場合の対応策
修正申告する際の注意点等
査察(強制調査)を受けた際の注意点等
国税局の査察や資料調査課の税務調査への立会い経験

税務調査の注意点: 目次

[第Ⅰ部] 税金の基礎知識
なぜ税務調査でもめるのか (2008-05-27)
税務調査時に国税局や税務署が暴走する理由 (2010-05-26)
納税者の権利とは (2010-04-06)
法律(法令)と通達の違い (2008-05-27)
国税庁、国税局、税務署、国税不服審判所の違い (2008-05-27)
税理士の役割 (2010-05-26)
[第Ⅱ部] 税務調査:基本編
税務調査と査察の違い (2013-01-10)
税務調査は拒否できるのか (2013-01-10)
国税局の査察部(マルサ)とは (2010-05-26)
国税局の資料調査課(リョウチョウ)とは (2008-05-27)
税務調査時に国税OBの税理士に立会いを依頼するのは有利なのか (2010-05-26)
[第Ⅲ部] 税務調査:実務編
税務調査を受けた際の注意点等 (2013-01-10)
査察(強制調査)を受けた際の注意点等 (2010-05-10)
修正申告する際の注意点等 (2008-05-27)
更正処分の期間 (2013-03-04)
国税局や税務署に苦情や不服がある場合の対応策 (2016-08-19)
再調査(旧.異議申立て)と審査請求の違い (2016-08-19)
国税局の査察や資料調査課の税務調査への立会い経験 (2010-05-26)
[第Ⅳ部] 税務調査:用語編
脱税、過少申告、無申告、租税回避行為、節税の違い (2008-05-27)
「仮装隠蔽行為」と「偽りその他不正の行為」の違い (2010-05-26)
過少申告加算税、無申告加算税、重加算税、延滞税の違い (2016-10-26)
修正申告と更正の請求、更正、決定の違い (2012-02-01)
[第Ⅴ部] 税務調査:統計編
再調査(旧.異議申立て)等の状況 (2010-05-26)
税務調査の状況 (2010-05-26)
査察・起訴・判決の状況 (2013-01-28)

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