間違いだらけの税務調査 【無料相談窓口】税金6億円超を取り消させ、財産と信用を守り抜いた実体験をもとに実施中

冤罪を創る人々: ミラーページ (著者:山根治公認会計士・税理士

 国税局査察部(マルサ)を相手に税金6億円超(※加算税や地方税等を含めると20数億円)を取り消させ、財産と信用を守り抜いた闘いの実録。冤罪を創る人々のミラーページ。 *関連リンク
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037 藤原孝行 悪魔の証明 ― 鍵束の押収 (2004-07-27)

3)藤原孝行

(ウ)悪魔の証明 ― 鍵束の押収

一、 平成6年2月8日、現物返還を強く要求していた鍵の束4つが返還された。藤原孝行が新本修司と共に私の事務所に持ってきたのである。

二、 私は、マルサが鍵を押収し、四ヶ月も保管し返還しなかったことに強い疑問を抱いていた。まず、私は藤原に対して、何故鍵の束を4つも押収したのか、その理由を問い質した。

三、 押収の理由に関して次のような答えが返ってきた、 ―

藤原:「押収理由など犯則嫌疑者に言う必要はありません。」
山根:「何てこと言うんだ。私は、何故鍵の束を4つも現場から持ち去ったのか聞いているんです。」
藤原:「捜索許可状がありますので、私らが必要だと判断したら押収してもいいことになっています。」
山根:「それなら、収税官吏が必要だと判断したら、何でもかんでも持っていっていいわけですか。」
藤原:「そういう言い方をされれば、そうかもしれません。」
山根:「要するに、令状があれば何でも持っていっていいし、後から抗議があって、持っていった理由を尋ねられても、そんなものに答える義務はないということですね。」
藤原:「そうです。」
― 藤原、消え入りそうな声で元気がない。
山根:「この鍵束の一つは、山根ビルの合鍵で、10ヶ以上たばねてあります。押収目録には、単に鍵一束とあるだけで、一個一個特定されていませんね。」
藤原:「ああ。」
山根:「押収していった鍵を本当に全部返してくれたんですか。」
藤原:「それは我々を信用してもらうしかありません。」
山根:「仮に全部揃っているとしても、あなた方は、まさか鍵の複製品をつくっているんじゃないでしょうね。」
藤原:「そんなことをするはずがありません。」
山根:「それをあなた、どうして証明しますか。」
藤原:「・・・・。私達を信用してもらうしかありません。」
山根:「私達に、ヌレギヌを着せて、数々のひどいことを重ねてきた君達を、どうして信用できるんですか。」
藤原:「・・・・。」
山根:「山根ビルには、山根会計事務所の他に、弁護士、司法書士、不動産鑑定士の事務所が入っています。みんな、他人の秘密を扱う仕事ですので、秘密の保持にはことのほか気をつかっているんです。
 あなた方が持っていった合鍵の束の一つは、山根ビルの入口とそれぞれの事務所の入口の鍵でした。」
藤原:「・・・。」
山根:「4ヶ月もそれぞれの入口の合鍵を持っていたわけで、あなた方は、山根会計事務所だけでなく、弁護士事務所とか、他人の秘密がギッシリつまっているその他の部屋に自由に出入りできたわけですね。」
藤原:「・・・。そういわれても。・・・。」
山根:「マルサは100人以上も動員できるわけですから、そのうちの誰かが夜陰に乗じてこっそりと・・・。」
藤原:「そんなことする訳がないでしょうが。我々を信用してもらうしかない。」
― 藤原、急に大声を張りあげる。
山根:「さっきから、信用できないと言っているでしょうが。警察官が人を殺すことがあるくらいだから、マルサがドロボーをしたとしてもおかしくないね。」

四、 この日の私と藤原とのやりとりは、午後1時25分から3時25分までの2時間にわたるものであり、録音テープの反訳文は、B4版で65ページにも及ぶものだ。
 今、読みかえしてみると、我ながら随分意地悪なことを言ったものである。
 私としては当初、藤原が答えに窮する議論をふきかけるつもりはなかった。
 藤原は、鍵束を返還するとき、ただ一言、「当方の手違いでした。返還が遅れて申し訳ない。」と言えば済むことであった。
 ガサ入れの混雑にまぎれて、押収する必要のないものまで押収することはあるであろう。そのことは必ずしも非難すべきこととは言えないし、嫌疑者としては受忍義務の範囲内であると考えるべきものだ。

五、 しかし、ガサ入れからすでに4ヶ月も経っている。押収物が、国犯法に規定されている強制調査に必要なものであるかどうかの見きわめはついているはずである。
 必要がなければ返還すればいいし、また返還しなければいけないものだ。国犯法第7条4項に「収税官吏差押物又ハ領置物件ニ付留置ノ必要ナシト認ムルトキハ之ヲ還付スベシ。」と規定されており、当然のことである。

六、 しかも、押収物が合鍵の束である。どう考えても、押収し、しかも、4ヶ月も留置しなければならない理由など見つかるはずがない。
 藤原孝行が言うように、令状があるからといって何でも持っていっていいものではないし、収税官吏の勝手な裁量にゆだねられているものでもない。

七、 北野弘久博士は、国犯法にもとづく差し押えについて、次のように指摘されている。
『犯則嫌疑事件の事実を証明するに足る物件と客観的に認められるもの(端的に言えば、事件と関連性があると認められるもの)のみを差押えすることができる。
 犯則嫌疑事件の事実を証明するに足る物件と客観的に認められないもの(端的に言えば、事件と関連性がないと認められるもの)を差押えすることは違法である。』(前掲書、415ページ)
 更に、
『差押えにあたっては、収税官吏という専門家として通例つくすべき注意力と知見に基づいて右の積極的な意味での関連性のある物件のみを差押えすべきであって、訓練された税務経理の専門家(収税官吏はそのようなレベルの専門家であることを法は当然に前提にしているものと解される)であれば、通例、帳簿書類の差押現場において、さして困難なく関連性の有無の認定を行うことができる。
 そのようなレベルの認定に基づいて差押えを行った場合において、後日、たまたま例外的に関連性がないと認められる部分がでてきたとしても、それほど法的非難をするに及ばないといってよい(そのことが判明した時点で早急に差押物件を返還すべきである。判明後、相当期間を経過した後においてもなお返還がないときは、当該部分の差押えはその段階で違法となろう)。
 しかし、はじめから専門家としてつくすべき注意力と知見に基づかないで、いわば安易に包括的な差押えを行うことは違法である。』(前掲書、417ページ)
と論じられ、収税官吏の恣意的な差押えは違法であると明快に論及されている。

八、 もっとも、鍵の束の押収は、北野博士が指摘されている違法な差し押え以前の問題であろう。
 はじめから押収などすべきものではないのではないか。
 しかし、押収したものは仕方がない。誰でも手違いはあるものだ。一言、謝って返還すればいいのである。
 藤原はそれをしなかった。鍵の束を4つも押収したのは当然のことであると居直り、押収した理由についても犯則嫌疑者に言う必要などないといって突っぱねた。
 これらは全て、大木洋のさしがねであろう。藤原はことあるごとに、大木に伺いをたてていたからである。
 マルサが無謬性にこだわり通した典型的な事例である。

九、 私が藤原孝行に、いわば言いがかりをつけ、意地悪をしたのは、以上のような背景があったからだ。鍵をコピーしなかったことの証明とか、押収した合鍵で部屋に侵入しなかったことの証明は、もともとできないのである。
 何かをしたことの証明は可能であるが、何かをしなかったことの証明は不可能である
 後者の不可能な証明のことを、俗に悪魔の証明という。

一〇、私が藤原に対して、いわば悪魔の証明を迫ったのは、藤原が自らの無謬性を主張し、居直ったことに加え、大木洋をキャップとするマルサが、私に対してまさに悪魔の証明を迫っていたからである。悪魔の証明については後に詳述する。

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