間違いだらけの税務調査 【無料相談窓口】税金6億円超を取り消させ、財産と信用を守り抜いた実体験をもとに実施中

冤罪を創る人々: ミラーページ (著者:山根治公認会計士・税理士

 国税局査察部(マルサ)を相手に税金6億円超(※加算税や地方税等を含めると20数億円)を取り消させ、財産と信用を守り抜いた闘いの実録。冤罪を創る人々のミラーページ。 *関連リンク
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008 脱税日本一 (2004-03-23)

2.脱税日本一

一、 平成8年1月26日、私は関係者3人と共に松江地方検察庁に逮捕され、身柄を拘束された。
 確定申告の直前ということもあってか、いわば一罰百戒のPR効果をねらって、公認会計士による大型脱税事件としてマスコミに公表され、全国ニュースとなった。

 
二、 この逮捕劇は、私の地元である山陰地方ではトップニュース扱いとなって喧伝された。
“公認会計士ら逮捕―不動産売買めぐり”(平成8年1月27日、朝日新聞)

“逮捕の公認会計士6億円受領か。松江地検は、この金を脱税の指南工作料とみている。”(同年1月30日、朝日新聞)

“6億円所得申告せず、松江地検は山根容疑者が相談料などの名目で6億円を受け取っていながら、所得として申告していなかったことを突き止めた。”(同年1月30日、読売新聞)

三、 当時私は逮捕されて松江刑務所拘置監に閉じ込められており、世間の様子はほとんど知ることはできなかった。接見禁止の処分がなされていたため、手紙を受け取ることもできないし、新聞の購読も許されていなかったからである。もちろん、独房にはテレビもなければラジオもない。接見の出来る弁護士が唯一のニュースソースであった。
 ただ事務所の職員に、私の事件に関する新聞記事を収集し、テレビ番組も全て録画するように指示していたことから、現在私の手許には分厚い新聞記事のスクラップブックが残り、数本のビデオテープが残った。それらは、松江という山陰の小都市がスキャンダラスな話題で騒然となったことを雄弁に物語っている。
 このとき報道にあたったマスコミ関係者は、松江地検の検事がリークする嘘の事実を連日のようにタレ流し、銭ゲバの権化、脱税を手助けし多額の不正な報酬を手にした悪徳公認会計士として私を糾弾してやまなかった。

四、 NHKは、逮捕の2日前から、私の自宅近くで、ひそかに張り込みをし、当時、風邪のため通院していたマスク姿の私を写し、TVで全国に繰り返し流した。マスクをして逃げまわっているような印象を与えるものであった。
 事件の解説と称して、NHKの解説者がアナウンサーを相手に説明を始めたものの、途中で何を言っているのか分からなくなったらしく、言葉を失い、とり乱して、誤った解説をしてお茶を濁している姿が印象的であった。
 マスコミに発表している検察官自身、自分が何を話しているのか分かっていなかったのであろう。虚実をとり混ぜたことがらを、マルサの繰り人形と化して、よく理解できないままでマスコミに向ってしゃべっているからである。

五、 新聞にいたっては、百花繚乱、各紙ともよくぞ書いて下さったものである。
 連日の報道を、現時点で改めて追ってみると、前後の整合性に欠け、いたるところで、矛盾が露呈している。
 特におそまつであったのは朝日新聞であった。担当は、若い記者であったという。記事の内容が余りにもおそまつであったため、私の担当弁護人が朝日新聞の松江支社長に厳重に抗議をしたほどである。

六、 平成8年6月、国税当局は平成7年度査察実績(俗に脱税白書といわれているもの)を公表するに際して、マスコミに向けて、私のケースを法人部門で全国トップの悪質な所得隠しとして紹介している。
 平成8年6月21日付の山陰中央新報は、“法人の最高額は益田市畜産17億”の大見出しのもとに次のように報じた。
「所得隠しの最高額は、法人では益田市の益田市畜産協同組合の17億6千8百万円(脱税額5億2千万円)。空港建設用に土地を県に売却した際、租税特別措置法の特例措置を不正利用し、遠隔地の千葉県船橋市に代替地を取得したように見せかけた。法人税法違反の罪で顧問税理士ら2人と組合が起訴されている。」
 脱税白書は、“架空固定資産圧縮損を計上していた事例”として、
『空港建設用地として牧場を収用された農事組合法人Lは、収用による多額の税金を免れるため、公認会計士と共謀し、遠隔地に代替地を取得したように仮装して、租税特別措置法64条等の「収用等に伴い、代替資産を取得した場合の課税の特例」を不正に利用していた。』
と記す。国税当局が仮装だ、架空だといって、鐘や太鼓で大騒ぎしたのである。

七、 立石英生検事は、平成10年3月24日、松江地方裁判所31号法廷において、論告求刑を行った。その骨子は次のとおり。
『本件逋脱所得額及び逋脱税額等についてみると、被告人らは正規の所得額が三事業年度において
  合計17億6,758万5,583円
であるにもかかわらず、いずれも所得はない旨の各期の確定申告書を提出し、右所得に対する正規の法人税額
  合計5億2,071万9,500円
を免れたのであって、右逋脱所得額及び逋脱税額ともに、極めて高額であることは言うまでもなく、また、その逋脱率も「100パーセント」と高率であり、かかる数値に鑑みても、本件犯行の犯情は重いと言わざるを得ない。
 ことに、逋脱税額にして5億円を超える逋脱事犯は、広島高検管内においては近年まれにみる高額な脱税事犯であるとともに、全国的な統計上も、一部の特殊な事例を除いて、極めて希有に近い事案である。
 以上の諸事情を総合勘案すれば、本件事案が悪質かつ重大な事犯であるとともに、被告人らの刑事責任は重いことは明らかであって、とりわけ本件各事件につき、中心的役割を果たした被告人山根治の犯情は極めて重大であると言わざるを得ない。
 よって、相当法条適用の上、被告人山根治を懲役3年の実刑に、同農事組合法人益田市畜産協同組合を罰金1億5,000万円に、それぞれ処するを相当と思料する。』
(注、「逋脱所得」とは、脱漏所得のことであり、「逋脱税額」とは、脱税額のことである。)

八、 もともとマルサ事案は、圧縮記帳だとか課税の繰延だとかからんでおり、一見複雑に見えるものの、争点はただ一つであり、極めて単純なものである。
 即ち、私が顧問先である組合に対して斡旋した不動産の売買契約が真実の契約であったのか、あるいは架空の契約であったのか、これが唯一の争点であった。
 素直に見れば、真実の契約であることが歴然としているにも拘らず、検察当局がマルサの尻馬に乗って、多くの関係者に嘘の自白を強要し、証拠を捏造してまで、架空の契約であり、脱税だ、犯罪だと言い張ったのが、事の真相である。

九、 ちなみに、この不動産の売買契約については、刑事事件に先行(あるいは並行)して、三つの民事裁判が行われており、それらは全て、売買契約は真実のものであり、架空のものではないと明確に判示し、全ての判決が確定している。
(1) 平成5年9月20日、松江地裁、
 平成3年(ワ)第26号賃料請求事件の判決。確定。
(2) 平成5年11月30日、千葉地裁、
 平成3年(ワ)第879号株主権確認等請求事件の判決。確定。
(3) 平成12年10月31日、東京高裁、
 平成10年(ネ)第493号所有権移転登記手続等請求控訴事件(千葉、地裁、平成4年(ワ)第426号事件)の判決。確定。
 (1)、(2)は、私が逮捕されるまでに確定していたのに対して、(3)は、私の逮捕時いまだ審議中であり、千葉地裁は刑事事件と関連がある事案であったためか、 急遽、一人の裁判官であったのを変更し、三人の裁判官による合議に切換えた経緯がある。刑事法廷における主な証拠は全て民事法廷にも提出され、千葉地裁での審理以来、八年という長い年月をかけて審理を尽くした挙句結審し、判決が言い渡されたものである。軽く扱っていい判決ではない。


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